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「Reeder 2」に「Calenders 5(旧Calenders+)」、新バージョンを「新アプリ」として出すのはアリ?ナシ?

iPhoneアプリは、「一度購入すればバージョンアップ版を無料ダウンロードできる」という仕組み。これをアプリ作者から見れば、「一度買って貰った人には、原則的に無料で新機能などを提供し続けなければならない」ということだ。ゲームのように、「『1』をクリアしたら『2』や『3』を買ってくれるかも」というジャンルなら良いが、年単位で使い続ける実用アプリの場合、どうも十分な収入が入らない…。

と、いうことで、実質的には「新バージョン」なアプリを、iTunesストア上で「別アプリ」としてリリースする、という手がある。「別アプリ」だから、既存ユーザーも新たにお金を払って「別アプリ」を購入しなければならない、というわけだ。

ここ数日の間に、iPhone最強のRSSリーダー「Reeder」と、カレンダーアプリの定番の一つ「Calenders+」が、上記のように「実質的には新バージョンだけど別アプリ」というリリースを行った。「Reeder」は「Reeder 2」に、「Calenders+」は「Calenders 5」になったのだ。

「Reeder 2」は比較的ポジティブに受け取られている?

RSSリーダーアプリ「Reeder」は、先日別アプリ「Reeder 2」をリリースした。上スクリーンショットは、左が「Reeder」で右が「Reeder 2」。違いを探すのがなかなか難しい感じだ。「Reeder」を購入した人であっても、「Reeder 2」を使うには新たに「Reeder 2」を(450円で)購入しなければならない。

Reeder 2

「賛否両論」という感じではあるが、ある程度、「ポジティブ」な意見も多い。iTunesストアの国内評価は執筆時現在4.3。「前作と同じ」といった厳しい声もあるが、7件中6件のカスタマーレビューが★4以上だ。

「Reeder 2」は、新たにユニバーサルアプリ(iPhone, iPad両対応)化された。Twitterなどでも「ようやくiPadで使えるようになった!」という声や、「デスクトップ版もぜひ!」といった声が聞かれる。あふぉスマでも、

ユニバーサルアプリに価値を見いだせる人、「お布施」をしても良いなと思う人、現在他のRSSリーダーを使っている人や、そもそもRSSリーダーを使っていない人には、間違いなくオススメ
最強RSSリーダー「Reeder」がユニバーサルアプリ化された新バージョン「Reeder2」をリリース!

と紹介した。

「Calenders 5」に対してはネガティブな声が多い?

「Calenders 5」に対しては、どうもネガティブな声が多いようだ。左の「Calender+」と右の「Calender 5」(出典:Calendars 5 for iOS review: Combine your calendars and tasks into one beautiful, easy to use app | iMore)は、見た目はそれなりに変わっているが、「ユニバーサルアプリ化」というような、「分かりやすい」新機能がない。一応、「自然言語認識対応」など、新たに追加された機能はあるのだけど…。「Calender 5」リリースと同時に、「Calender+」がiTunesストアから消されたことに対しても批判の声が上がっているようだ。

Calendars 5 – Readdle

AppZappで35「いいね!」を集めている、アメリカの「Dale」氏のレビューを以下に意訳する。

不幸なことに、初めてReaddle(「Calenders 5」のデベロッパー)製品に対してネガティブなレビューを投稿することになったよ。
Readdleの連中は、これを「新アプリ」としてリリースすることを決定した。
奴らは、「Calender+」を「Calender 5」にした。それだけじゃなく、「Calender+」をiTunesストアから消しやがった。だから、「Calender+」にお金を払っていたとしても、他のデバイスのためにもう一回ダウンロードする必要が出たら八方塞がりってわけだ。

Readdleの連中よ、良いお客さんだった人々を八方塞がりにしてくれてありがとう!
お前らが俺のお金をこれ以上、もう1円も得ることはないだろうよ!

国内では、「Calenders 5」には、平均評価が表示されるための最低必要評価数が集まっていない。

「アドオン」形式であれば文句はなかった?

実のところ、冒頭で書いた「一度買って貰った人には、原則的に無料で新機能などを提供し続けなければならない」は、あくまで「原則」だ。追加機能などを「アドオン」という形でリリースすれば、既存ユーザーにもお金を払って貰うことができる。

このやり方の方が、既存ユーザーからは不満が少ないだろうし、ただ、新規ユーザーを増やすことは(相対的に)難しくなるかもしれない。例えば

A案:450円な「1」の新アプリである「2」を450円で販売する
B案:450円な「1」に、新機能アドオンを300円でリリースする

という場合

既存ユーザーが払うお金新規ユーザーが払うお金
A案「1」の450円 + 「2」の450円「2」の450円
B案「1」の450円 + 「アドオン」の300円「1」の450円 + 「アドオン」の300円

となるからだ。

アプリ作者とユーザー(さらに既存ユーザーと新規ユーザー)の全員が「満足」するには、どうしたら良いのか。なかなか難しい問題だ。

 

投稿日時2013年09月13日19時35分 | カテゴリー: ニュース | このエントリーをはてなブックマークに追加

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