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【特別寄稿】他人の写真をTwitterやFacebook等にアップするのはどこまでセーフ?【法務博士 河瀬 季(@tokikawase)】



友達と一緒に遊びに行った場合や、街で見かけた変な人、街で見かけた犯罪行為などを晒す場合、自分以外の人間の顔写真をTwitterなどネット上にアップすることになる。こうした行為は、どこまでがセーフで、どこからがアウトなのだろうか?例えば、「モザイクさえかければ絶対にセーフ」なのだろうか?

この特集では、法律的な観点から、他人の写真(など)をネット上にアップすることの限界点を検討する。「これならセーフだろ」と思って行った行為が原因で最悪逮捕される…なんてことにならないよう、「限界点」に関する考え方を、ざーっと理解しておいて欲しい。

執筆:法務博士 河瀬 季(tokikawase.info)/撮影:石附 染葉

「他人の顔写真をネットにアップする」と一言で言っても、相手が友達なのか他人なのか、「変な人」なのか「犯罪告発」なのか…といった点によって、考え方が変わってくる。この特集では、ケース毎に検討を行っていく。

友達の写真のアップロード

自分の顔写真などをFacebook上で勝手に公開されるのは不愉快だ!……と感じる人もいる。
上司やクライアントに対して「今外回り中です!」「頑張って働いています!」などと言いつつ遊びに行っていたことや、「ごめんその日は家族の用事があって」と嫌な同級生からの誘いを断って学校外の友人と遊んでいたことが、一緒に遊んでいた友達がアップした写真のせいでバレてしまうかもしれない。仕事やプライベートの人間関係的にも問題だ。

他人の写真/「街で見かけた変な人」など

「街中や電車内などでこんな変な人を見かけた!」というように、TwitterやFacebookに他人の写真をアップする人がいる。こうした行為は、名誉毀損として犯罪になったり、プライバシー侵害として慰謝料請求の対象になったりする。そして、それを理由としてネット上で「炎上」したり、結果、学校や会社をやめさせられるなど重大な社会的不利益を受けたり……などともなりかねない。他人の写真をSNSで公開することは、どこからが「アウト」なのだろうか?

他人の写真/犯罪行為や迷惑行為の告発

TwitterやFacebookなどで、「街で犯罪をしている奴を見かけた」「飲食店のバイトがこんな迷惑行為をしていた」というような投稿を行う人がいる。しかし、顔写真などをアップしてしまうと、犯罪や迷惑行為の「告発」であったとしても、名誉毀損にあたり得る。このような「告発」を行うことは、どこからがアウトなのだろうか?

他人がアップした写真付きツイートのRT

Twitter上で、自分の行った犯罪や迷惑行為を、わざわざ自分でツイートする人がいる。それで「炎上」してバイトをクビになったり、学校や会社をやめることになったり、最悪の場合は逮捕されたりするのだから困ったものだ。
ただ、面白半分にこのような「炎上」に乗っかり、犯罪告白などのツイートをリツイートすることは、法律的に問題かもしれない。このようなリツイートを行うことが名誉毀損にあたる、という考え方も、おそらく成り立つのだ。

法務博士 河瀬 季
東京大学 法学政治学研究科 法曹養成専攻 卒業。
2002年から「tokix」名義で、雑誌「ネットランナー」「PC Japan」への寄稿、書籍「iPod for コレクターズ」の全編執筆など、多数の雑誌・書籍における執筆活動を行う。2009年に東京大学の法科大学院(ロースクール)に進学し、2013年に司法試験に合格。
 

投稿日時2014年01月08日21時39分 | カテゴリー: チップス | キーワード:,
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