「Onion Browser」は、「Tor」をiPhoneで利用するためのブラウザアプリだ。
「Tor」とは、現時点における世界最強の匿名ネットワーク。最近だと、２ちゃんねるの個人情報流出事件でも使われている。個人情報が詰まったデータを公開した犯人の身元が（少なくとも現時点で）不明な理由は、Torネットワーク上でデータが公開されているから。Torの匿名性のせいで犯人が分からないのだ。
「Onion Browser」なら、iPhoneでもTorを利用し、ネット上のサイトにアクセスすることができる。自分の身元（IPアドレス）を隠した状態でネットサーフィンを行えるのだ。


・Onion Browser – Mike Tigas

自分の身元を隠してネットサーフィン

「Onion Browser」を起動すると、まずTorネットワークへの接続が行われるので少し待とう。「60秒以上かかるようだったら、一度アプリを終了させてもう一度試して」とのこと。接続に成功するとスタートページが表示される。表示されている検索窓は、個人情報追跡などを行わない匿名検索エンジンの「DuckDuckGo」だ。



初回起動時は、「DuckDuckGo」で「検索くん」と検索し、「検索くん」にアクセスしてみよう。自分のIPアドレスなどが表示されるサービスだ。Safariで普通に接続した場合と違うIPアドレス（「現IPアドレス」「現在接続しているプロバイダー名」）が表示されていればOK。自分の身元が隠れた、Torによる匿名ネットサーフィンを行うことができるぞ。



「Onion Browser」は、「ブラウザ」として考えると低機能だが、ブックマーク機能は搭載されている。



「Browser Settings」内では、Cookiesの受け入れやUser-Agent設定などを行うことができる。よく分からない人はデフォルトのままで良い。

「.onion」サイトへアクセス

簡単に説明すると、「Tor」には、大きく二つの機能がある。
まず、自分の身元を隠して通常のインターネットを利用する機能。前段落で説明した機能だ。
次に、Torに接続していないとアクセスできない、Tor専用のサイトなどにアクセスする機能。URLが「～.onion」となっているのがTor専用サイトだ。
「Onion Browser」のブックマークには、最初からいくつかのTor専用サイトが登録されている。「Onion Browser」なら通常のサイトと同じようにアクセスできるが、Safariなどでは開けない。ネット上で「～.onion」なサイトのURLなどを見かけた場合は、「Onion Browser」を使えばアクセスできるのだ。件の個人情報流出でも、流出したデータは「～.onion」サイト上で公開されている……のだが、良い子はアクセスするべきではないし、また、当該サイトはアクセスが集中しすぎてマトモに開けないらしい。


・Onion Browser – Mike Tigas